「家事するついで」に体を動かす。超簡単ずぼらメソッド
家事や育児に毎日追われていると、自分の時間を持つことすら難しいと感じるかもしれません。運動をしたい気持ちはあっても、「まとまった時間がない」「疲れていてそれどころじゃない」というのが正直なところではないでしょうか。
外に出て運動したり、特別な道具を使ってトレーニングしたりするのは、準備も片付けも手間がかかって、なかなかハードルが高いものです。
でも、もし「家事をするついで」に、ほんの少しだけ体を動かせるとしたら、いかがでしょうか。
この「ずぼら運動メソッド」では、究極の運動嫌いさんや、とにかく面倒くさがり屋さんでも、日常生活の中で無理なく体を動かす習慣を取り入れる方法をご紹介しています。今回は、毎日必ず行う「家事」の時間を有効活用する、超簡単なメソッドをお伝えします。
家事の「ついで」に体を動かす、ってどういうこと?
家事は私たちの体を毎日使う活動です。掃除機をかけたり、洗濯物を運んだり、料理で立ったり座ったり。これらも立派な体の動きですが、意識しないといつも同じ筋肉ばかりを使ったり、逆に全く使わない部分が出てきたりします。
「家事のついでに体を動かす」とは、この日々の家事の動作に、ほんのひと工夫加えたり、家事の合間のちょっとした待ち時間を活用したりして、体を動かすきっかけを作る考え方です。
例えば、
- 洗濯物を干す時に、腕をいつもより高く伸ばしてみる
- 食器洗いの最中に、つま先立ちを繰り返してみる
- 電子レンジの加熱を待つ間に、軽い足踏みをしてみる
このように、「〇〇のついでに△△をしてみる」という形で、特別な時間や場所を用意することなく、日々の生活の中に自然と運動を取り入れていきます。
なぜ家事の「ついで」が良いのでしょうか
このメソッドの最大の利点は、ハードルの低さです。
- 特別な準備がいらない: 運動着に着替えたり、道具を用意したりする必要がありません。家事をする格好のまますぐにできます。
- まとまった時間がいらない: 家事の合間や、短い「ながら」の時間を利用するため、1回あたりの時間はほんの数秒から1分程度です。
- 「やろう!」と気負わなくていい: 家事の「ついで」なので、「さあ、運動するぞ!」という意気込みは不要です。「ついでに、まあやってみるか」くらいの気持ちで始められます。
こうしたハードルの低さが、「めんどくさい」と感じる暇を与えず、無理なく継続するための重要なポイントとなります。
具体的な「家事のついで」ずぼら運動例
それでは、いくつかの家事シーンで取り入れられる、超簡単な「ついで運動」をご紹介します。どれもすぐに試せるものばかりです。
キッチンでのついで
- 【料理の待ち時間(煮込み中、加熱中など)】
- つま先立ち: コンロの前やシンクの前で、かかとを上げてつま先立ちになります。ゆっくり下ろすのを繰り返します。ふくらはぎの軽い運動になります。(転倒に注意して、安定した場所で行ってください。)
- 軽い屈伸: シンクに手をつくなどして体を支えながら、膝を軽く曲げ伸ばしします。深く曲げる必要はありません。
- 【食器洗い中】
- 姿勢を正す: 背筋を伸ばし、お腹を少し引っ込めるように意識して立ちます。体幹を意識する練習になります。
- 足踏み: その場で軽い足踏みをしてみます。
洗濯でのついで
- 【洗濯物を干す時】
- 伸びをする: 洗濯物を取り出す時や、竿に干す時に、腕を上に伸ばして背伸びをします。肩甲骨周りが伸びて気持ちが良いでしょう。
- 片足立ち(短い時間でOK): バランスを取りながら、数秒だけ片足で立ってみます。不安定な場合は壁や洗濯機に手をついてください。
- 【洗濯物をたたむ時】
- スクワット気味にしゃがむ: 高いところから洗濯物を取り出す時や、低い位置の物を取り扱う時に、膝を軽く曲げて腰を下ろします。無理のない範囲で大丈夫です。
掃除でのついで
- 【掃除機をかける時】
- 腕を大きく動かす: 体全体を使って、腕をいつもより大きく前後に動かしてみます。肩周りの体操になります。
- 体幹を意識: お腹に軽く力を入れ、姿勢を意識しながら掃除機をかけます。
- 【拭き掃除をする時】
- 低い位置の拭き掃除: 可能であれば、膝立ちや、少し腰を落とした姿勢で行ってみます。股関節周りを普段より使うことになります。
「ついで運動」を続けるための超簡単なコツ
「ついで」に体を動かすことを習慣にするために、いくつか簡単なコツがあります。
- 完璧を目指さない: 「〇〇の時は必ずこれをする」と決めすぎず、「あ、この家事のついでに、そういえばこんなのあったな」と思い出した時に、できることだけやってみましょう。
- ほんの数秒から始める: 最初はたった5秒でも10秒でも構いません。短時間でも「やった」という事実が自信になります。
- 「ながら」を活用: テレビを見ながら、音楽やラジオを聴きながら、何かを「ながら」でしている時に、同時にできるついで運動を試してみましょう。
- 家族に宣言してみる(しなくてもOK): 「今、つま先立ちしてるんだ〜」などと軽く言うと、ちょっとしたゲーム感覚でできるかもしれません。もちろん、こっそりやるのもOKです。
- 家事とセットで考える: 「洗濯物を干す時は、ついでに伸びをする時間」というように、家事の一部として捉えると、億劫に感じにくくなります。
小さな「ついで」が体と気分を変える
これらの「家事のついで」ずぼら運動は、どれもすぐに大きな効果を感じられるものではないかもしれません。しかし、毎日少しずつ続けることで、
- 体が固まるのを防ぐ
- 血行を促進する
- 家事の合間のリフレッシュになる
- 運動する習慣へのハードルが下がる
といった変化を感じられる可能性があります。
「運動しなきゃ」と気負うのではなく、「家事するついでに、ちょっと体を動かしておこうかな」くらいの気持ちで始めてみてください。あなたのペースで、できることから一つずつ。その小さな一歩が、きっと心と体の良い変化につながるはずです。