いつもの「立つ・座る」を運動に!意識を変えるずぼらメソッド
「運動しなきゃ」と思いつつも、なかなか実行できない。時間がない、疲れている、そもそも運動が苦手。そう感じている方は少なくないかもしれません。
本格的な運動をする時間や気力がないとき、特別な道具や場所が必要な運動は、どうしても後回しになりがちです。しかし、健康のために体を動かすことは大切だと分かっています。
もし、いつもの生活の中で、ほとんど意識せずに行っている動きが、少しの工夫で運動になったらどうでしょうか。今回は、究極の運動嫌いさんでも挑戦しやすい、日常の「立つ」「座る」を運動に変える簡単なメソッドをご紹介します。これなら、きっとあなたにも続けられるはずです。
なぜ「立つ・座る」が大切なのか
私たちの体は、普段の生活の中でたくさんの動きをしています。その中でも、「立つ」「座る」という動作は、一日のうちに何度も繰り返される基本的な動きです。
一見、単純な動きに見えますが、実はこれらの動作には、太ももやお尻、お腹など、体の大きな筋肉が使われています。これらの大きな筋肉を意識して使うことは、血行促進や代謝アップにつながり、健康維持に役立ちます。
逆に、長時間同じ姿勢で座りっぱなしの状態が続くと、筋肉が固まりやすく、血行が悪くなるなど、体に負担がかかることが分かっています。
いつもの「立つ」を運動に変える意識
座っている状態から立ち上がる時、あるいは立っている時。ほんの少し意識を変えるだけで、ただの動作が体に効く運動になります。
- 立ち上がる時: 椅子から立ち上がる際に、「よいしょ」と勢いをつけるのではなく、お腹とお尻に軽く力を入れて、太ももの裏側(ハムストリングス)やお尻の筋肉(大臀筋)を使ってゆっくりと立ち上がるイメージを持ちましょう。手すりなどに頼りすぎず、自分の足の力で立つことを意識します。
- 立っている時: 電車を待つ間、歯を磨く間、料理をしている間など、立っている時間を少し有効活用してみましょう。
- かかとを少し上げ下げしてみる(カーフレイズの簡易版)。
- お腹を軽く引っ込めて、姿勢を正すことを意識する(ドローインの簡易版)。
- お尻をキュッと締めるように意識する。
- 片足に重心をかけるのではなく、両足に均等に体重を乗せ、大地に根が生えたような安定感を意識する。
テレビを見ながら、CMの間だけ立ってみる、というように、「〜しながら」「〜の間だけ」といった隙間時間を活用するのが、ずぼらさんの継続のコツです。
いつもの「座る」を運動に変える意識
立つことと同様に、「座る」という動作や、座っている間の姿勢も意識できます。
- 座る時: ドスンと座るのではなく、立ち上がる時と同じように、太ももやお尻の筋肉を意識しながら、ゆっくりと腰を下ろしてみましょう。椅子に座る直前で一旦動きを止め、筋肉を使っている感覚を味わうのも良いでしょう。
- 座っている間: 深く腰掛けすぎず、少し浅めに座り、背筋をスッと伸ばすことを意識します。この時、肩の力は抜いてリラックスします。時々、お腹を軽くへこませてみましょう。
- 長時間座りっぱなしにならないように、定期的に立つ・歩く時間を設けることも大切です。例えば、1時間に一度は立ち上がって、軽く足踏みをしたり、短い距離を歩いたりする習慣をつけるだけでも違います。タイマーを活用するのも良い方法です。
まずは「意識する」ことから始めてみましょう
ご紹介した方法は、どれも大掛かりなものではありません。特別な運動着も不要ですし、場所も選びません。いつもの生活の中で、ちょっとだけ意識を変えるだけで始められます。
最初は「面倒だな」と感じるかもしれません。でも、完璧を目指す必要はありません。一日の中で一度でも、二度でも、思い出した時に「あ、そういえば」と意識してみることから始めてみましょう。
立ち方、座り方をほんの少し変えるだけで、いつも使わない筋肉が刺激されたり、姿勢が良くなったりといった変化を感じるかもしれません。体の小さな変化に気づくことが、継続のモチベーションにつながります。
まとめ
運動が苦手な方にとって、「運動する」という言葉を聞くだけでハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、健康のために体を動かすことは、必ずしも激しいトレーニングである必要はありません。
いつもの「立つ」「座る」という日常の動作に意識を向けることから始めてみませんか。ゆっくり立ち上がる、姿勢を意識して立つ、ゆっくり座る、時々立ち上がる。これだけでも、あなたの体にとっては良い刺激になります。
無理なく、自分のペースで。まずは今日から、立ち上がる瞬間に少しだけ、お腹とお尻を意識してみてください。その小さな一歩が、ずぼらさんでも続けられる健康習慣への第一歩となるはずです。