「運動しようかな…」が「運動した」に変わる。ずぼら習慣化の超ハードル低い始め方
運動を習慣にしたいけれど、なかなか続かないあなたへ
運動を始めたほうが良いことは分かっている。健康のため、体力維持のため、気分転換のため。頭では理解しているけれど、「よし、今日からやるぞ!」と意気込んでも、三日と続かない。あるいは、「疲れているのに無理」と、始めることすらためらってしまう。
育児や家事に追われ、自分の時間はほとんどない。運動に関する知識もないし、体力に自信があるわけでもない。外に出たり、本格的なトレーニングウェアに着替えたりするのも億劫に感じてしまう。そんな風に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この「ずぼら運動メソッド」は、究極の運動嫌い、めんどくさがり屋のあなたのためにあります。この記事では、運動を「習慣にする」という大きな目標ではなく、まずは「体をちょっと動かす」という超ハードルの低い一歩を踏み出すための考え方と、具体的な方法をご紹介します。
なぜ「運動習慣」は続かないのでしょうか?
運動が続かないのには、いくつか理由があります。もしかしたら、あなたにも当てはまるものがあるかもしれません。
- 完璧を目指しすぎる: 「毎日30分走る」「腹筋を50回する」など、最初から高い目標設定をしてしまう。
- 急に負荷の高いことをする: 体が慣れていないのに、いきなりきつい運動をしてしまい、疲労や痛みに繋がる。
- 「運動時間」を無理に確保しようとする: 忙しい日々の中で、運動のためだけのまとまった時間を作るのが難しい。
- 結果をすぐに求めすぎる: すぐに変化がないと、「やっても意味がない」と感じてしまう。
これらの理由から、「運動=大変なもの」というイメージが強くなり、行動に移すのがどんどん億劫になってしまうのです。
「運動を始める」ハードルをゼロにする考え方
ずぼらさんが運動を習慣にするための最初のステップは、「運動する」こと自体への考え方を変えることです。
それは、「今日から本格的に運動するぞ!」ではなく、「今日はちょっと体を動かしてみようかな」くらいの軽い気持ちで始めることです。
具体的には、次のような考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
- 「運動する」と思わない: 「運動」という言葉に抵抗があるなら、「体をちょっと動かす」「ストレッチする」「伸びをする」など、もっとハードルの低い言葉に言い換えてみましょう。
- 時間は「確保」せず「見つける」: 「何時から何時まで運動する」と決めず、日常生活の中のほんの隙間時間、「あ、今なら10秒だけできるかも」といったタイミングを見つけます。1分、30秒でも十分です。
- 場所は「今いる場所」: 運動するためだけに特定の場所へ移動する必要はありません。リビングでも、キッチンでも、寝室でも、今あなたが立っている、あるいは座っている場所でできることを考えます。
- 目標は「できた」という感覚: 大きな目標は一旦忘れて、「今日は少しだけ体を動かすことができたな」という小さな達成感を得ることを目標にします。
このように、「運動は大変なもの」という思い込みを手放し、「日常生活の中で、ほんの少しだけ体を動かす機会を探す」という感覚に切り替えることが大切です。
超ずぼらさんでも「これならできそう」な具体例
では、実際にどのようなことから始めてみれば良いのでしょうか。特別な道具も、広いスペースもいりません。日常生活の中で、ほんの数秒〜数分でできる超簡単な例をご紹介します。
- 歯磨き中の「かかと上げ」: 歯磨きをしながら、立つ姿勢でかかとを少しだけ上げ下げしてみます。1回でもOK。バランスをとる練習にもなります。(ふくらはぎの軽い運動になります)
- テレビCM中の「スクワットもどき」: テレビを見ているときにCMになったら、椅子に座るように膝を少し曲げて立つ、を1回だけやってみます。深く曲げる必要はありません。(太ももとお尻の軽い運動になります)
- 床に落ちたものを拾うときの「膝曲げ」: 物を拾う際に、腰だけを曲げるのではなく、膝を少し曲げてから拾ってみます。丁寧な動作を意識するだけで体の使い方が変わります。(足腰の軽い運動になります)
- 休憩中の「伸び」: ふと一息ついたときに、両手を上に上げて全身をぐーっと伸ばしてみます。凝り固まった体をほぐす感覚です。(全身のストレッチになります)
- 座ったままの「足踏み」: 椅子に座っているときに、足元で軽く足踏みをしてみます。誰にも気づかれずにできます。(血行促進につながります)
これらはほんの一例です。ポイントは、「完璧に行おう」と意気込むのではなく、「あ、これなら今すぐ1回だけやってみてもいいかな」と思えるくらい、ハードルを極限まで下げることです。
「できた」を小さく肯定する
もし今日、ご紹介した中から何か一つでも「体をちょっと動かす」ことができたら、それは素晴らしい一歩です。「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、何もやらなかった自分から、「ちょっとだけ」でも行動した自分に変わったのです。
その小さな行動をした自分を、ぜひ肯定してあげてください。「今日はかかと上げが1回できたな」「テレビCM中にちょっと膝を曲げてみたな」といった、「できた」という事実を認識するだけで十分です。
記録をつけるのは素晴らしいことですが、義務になると続かなくなります。もし気が向いたら、カレンダーに小さなチェックを入れる、心の中で「よし」と思うなど、自分に合った方法で「できた」を確認してみてください。
まとめ:ずぼらさんの運動習慣は「無理なく、ゆるく」から
運動を習慣にすることは、ずぼらさんにとって大きなチャレンジかもしれません。しかし、それは「毎日ジムに通う」ことでも、「辛いトレーニングに耐える」ことでもありません。
ずぼらさんの運動習慣は、日常生活の中にほんの少しだけ「体を動かす機会」を散りばめ、「あ、今ならできそう」という心の声に従って、ゆるく、無理なく続けることから始まります。
ご紹介した方法は、あくまで「最初の一歩」のヒントです。あなた自身の「これなら私にもできそう」を見つけることが、何よりも大切です。完璧を目指さず、まずは今日、ほんの少しだけ、体を動かしてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、未来のあなたにつながる可能性を秘めています。